PROJECTS

SAKAZUKI

「未来へのヒントは過去にある」

そのコンセプトのもと、私たちは活動をしております。

工芸の技術は元来、色々なものづくりに応用され、交配され、発明された時とは姿形を変えながら伝承されてきました。

輪島塗の技術にもそのような背景があります。その歴史に習い、工芸と現在の表現者の感性を交配することで新しい何かを生みだせないかと考えた私たちは、アーティストであり、アートディレクターのYOSHIROTTENにコンタクトを取りました。

私たちはコロナ禍の最中から、このプロジェクトに取り組んでいました。希薄になった人間同士の関係性のことを考えているうちに、古くから伝わる「盃を交わす」ことで「絆」を強くするというコミュニケーションを内包するコンセプトに惹きつけられました。そこで、YOSHIROTTENに行為を伴うアート作品としての盃の制作を提案したところ、快く承諾して頂けました。

数ある漆器の技術の中でYOSHIROTTENが選んだのは「ぼかし塗り」という二色の漆と、その中間をグラデーションで描き出す技術です。グラデーションは、YOSHIROTTENの視覚表現に頻繁に登場する要素でもあります。人間と人間のコミュニケーションは、2つの異なる存在がお互いに歩み寄ったり反発しながら作られていきます。それは、気配や思考、感覚が色彩のグラデーションのようにお互いに干渉し合うようです。

「ぼかし塗り」は、いくつかの過程を経て成形された食器などに最終工程として漆で色をつける「上塗り」の一種です。分厚い漆の層を表面に作ることで、素地を守り、長持ちするようになります。この「SAKAZUKI」で盃を交わし、誰かと誰かのグラデーションが形成される機会を作り出し、それが変化しながらも、永く続いていくことが、私たちの意図の1つです。

YOIN

EASTERN SOUND FACTORY社(以下ESF)との共同により、スピーカーユニット〈Yoin〉を製作しました。 輪島塗の下地塗で使われる“地の粉”を漆に混ぜて塗布。...

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GHOST LINKS

佐渡島在住のアーティスト〈シャルル・ムンカ〉の主導により、漆を使ったアート作品を制作しました。輪島の町を散策し、輪島塗に携わる多くの職人たちとの対話を重ねたムンカは、偶然に出...

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YO-KOU

伝統工芸と最新のテクノロジーを掛け合わせるプロジェクトの第一弾として、光る漆塗りの器〈Yo-kou〉を制作しました。「夜空に浮かぶ月の光が、盃の中に映えるようなイメージ」をコ...

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